TAX DEDUCTION

相続空き家の3,000万円特別控除の要件を確認する

相続した実家(被相続人の居住用家屋)を売却した場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。適用できるかどうかで税負担が大きく変わるため、売却前に要件と期限を確認することが重要です。

公開日: 2026年7月8日 / 更新日: 2026年7月17日

期限の目安

売却前

要件の確認

建築年月日、区分所有でないこと、相続開始直前の居住状況などを確認します。

売却時

期限内の譲渡

相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、1億円以下で売却します。

売却後

確定申告

市区町村で「被相続人居住用家屋等確認書」を取得し、確定申告で特例を適用します。

特例の概要

相続または遺贈により取得した被相続人の居住用家屋(またはその敷地)を売却した場合、一定の要件を満たすと、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できます(租税特別措置法第35条第3項)。

2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡では、その家屋・敷地を取得した相続人が3人以上いる場合、控除額は1人あたり最高2,000万円になります。

主な要件

対象になる家屋と売却には、主に次のような要件があります。細かい判定が必要になるため、実際の適用可否は税務署や税理士への確認をおすすめします。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物登記がされている建物(マンション等)でないこと
  • 相続開始の直前に、被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 家屋を耐震基準に適合させて売る、または取り壊して敷地を売ること(2024年以降の譲渡は、譲渡後翌年2月15日までの耐震改修・取壊しでも可)
  • 相続から売却まで、事業・貸付け・居住の用に供されていないこと

手続きに必要な書類

特例の適用には確定申告が必要で、家屋の所在地の市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」を添付します。取得には、相続の事実や空き家であったことを示す書類(登記事項証明書、電気・ガスの閉栓証明書など)が求められます。

被相続人が老人ホーム等に入所していた場合でも、要介護認定を受けて入所していたなど一定の要件を満たせば対象になることがあります。

売却の段取りと合わせて確認する

この特例は「いつまでに」「どんな状態で」売るかが要件に直結します。取壊しの時期、耐震改修の有無、売却価格によって適用可否が変わるため、査定・媒介の前に売却の進め方と一緒に確認しておくと安心です。

実家・空き家整理ナビでは、相続した空き家の状況を入力すると、特例確認を含むTODOリストを無料で作成できます。

よくある質問

Qいつまでに売却する必要がありますか?開く

相続開始日(亡くなった日)から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。また、特例自体の適用期限は2027年(令和9年)12月31日までの譲渡とされています。

Q古い家を取り壊してから土地だけ売っても対象になりますか?開く

対象になります。家屋を取り壊して敷地のみを売却する方法は、耐震基準への適合が難しい古い家屋でよく使われます。2024年以降の譲渡では、売却後に買主が翌年2月15日までに取壊しや耐震改修を行うケースでも適用できる場合があります。

Qマンションを相続した場合も使えますか?開く

区分所有建物登記がされている建物は対象外です。この特例は主に、昭和56年5月31日以前に建築された一戸建ての空き家を想定した制度です。

本ページは一般的な手続きの目安です。相続関係、財産内容、国外居住、事業、遺言、争いの有無などによって、必要な手続きは変わります。判断に迷う場合は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家に確認してください。